●３００億円投資、２４年着工見通し

　金沢市粟崎浜町の「ゴルフ倶楽部（くらぶ）金沢リンクス」で、ホテルの建設計画が浮上していることが１６日分かった。地元関係者によると、全国でホテル事業を展開するリゾートトラストグループ（名古屋市）が、ゴルフ場を運営する大浜リゾート開発（金沢市）の株式の一部を取得し、敷地内に会員制のホテルを設ける見込み。投資額は約３００億円とみられる。来年７月に着工し、完成には３年程度かかる見通しとなっている。

　関係者の話を総合すると、全国でゴルフ場やホテルを運営するリゾートトラストが北陸でホテル適地を探しており、金沢リンクスに白羽の矢が立った。計画では、仮設のクラブハウスを建てた上で、現在のクラブハウスを取り壊し、その跡にホテルを建設するという。

　リゾートトラストは東証プライム上場で、２０２３年３月期の連結売上高は約１６９８億円に上る。グループで４０カ所以上のホテル、１３カ所のゴルフ場を展開している。同社は取材に対し「個別具体的な事案については回答を控えさせていただく」（ＩＲ・広報課）とした。

　　●用地は県が造成

　金沢リンクスは１９９０（平成２）年に開業。日本海に面し、のと里山海道の起点となる千鳥台交差点近くに立地している。ゴルフ場の用地は元々、石川県が工業団地として造成したが、８８年に約７０万平方メートルを県土地開発公社などを通じて大浜リゾート開発に売却した。

　大浜リゾート開発は８８年、県内企業の出資で設立された。宮太郎氏（大和元社長）が社長を長く務め、２００７年に澁谷工業前社長の澁谷弘利氏に交代した。同年には、預託金を償還するめどが立たず、金沢地裁に民事再生法の適用を申請している。

　澁谷氏死去後の２１年１１月には小竹正剛支配人が後任に就いた。近年は、コースに広告看板を設けたり支援金を募ったりして、単年度黒字化を達成している。