狂言師の野村萬斎さんが伝統芸能のアップデートに挑む「萬斎の伝統芸能ラボ」(北國新聞社共催)は30日、石川県立音楽堂交流ホールで開かれた。能「安達原」をテーマに上演され、来場者は、音楽堂邦楽監督の萬斎さんによって現代風に再解釈された「令和の鬼女物」を堪能した。
人里離れ、糸を紡ぎながら孤独に生きる老女を人間国宝・観世流シテ方の大槻文藏さん、宿を乞う山伏一行を萬斎さん、野村裕基さんが演じた。
老女との約束を破り、寝屋をのぞいてしまう一幕を萬斎さんらが狂言の語りで見せ、鬼と化した老女と、調伏する山伏たちの立ち回りが観客を引き付けた。映像や、尺八や三絃による演奏が舞台を引き立てた。