来年3月16日の北陸新幹線福井県内開業を控え、福井、石川、富山3県は開業直前の同1月~3月上旬、冬の北陸旅行を促す誘客キャンペーンを連携して行う。旅行閑散期の需要を掘り起こすとともに、開業日を関東圏にPRするのが狙い。福井県は期間中、独自の取り組みとして県内宿泊者にデジタル地域通貨をプレゼントする「ふくいdeお得キャンペーン」を展開する。
新幹線開業後は、福井―富山間の移動時間が短くなるため、北陸3県一体となった観光誘客が対外的にアピールしやすくなる。冬のキャンペーンは、8月に開かれた北陸経済連合会と北陸3県知事との懇談会で馳浩石川県知事が提案、杉本達治知事も賛同した。
キャンペーンでは期間中、3県を訪れた宿泊者らに、交流サイト(SNS)上にハッシュタグを付けて観光地や宿泊施設などの写真を投稿してもらい、抽選で3県の特産品をプレゼントする。このほか、新聞広告で北陸の観光地などをPRする。県は本年度一般会計9月補正予算案に800万円を計上した。
県独自のふくいdeお得キャンペーンは、福井新聞社と福井銀行の共同出資会社「ふくいのデジタル」が提供するスマートフォンアプリ「ふくアプリ」を通し、県内宿泊者にデジタル地域通貨1500円程度を贈る予定。対象となる宿泊者の居住地域は、福井を含む北陸新幹線沿線や北関東の計10都県。既決予算で対応する。
県観光誘客課の担当者は「新幹線開業が目前に迫る中、北陸3県の互いの観光地などをPRすることで誘客につなげたい」と話している。