加賀とびはしご登り保存会は10日、設立50周年を記念して、金沢市役所前と金沢21世紀美術館、しいのき迎賓館の市内3会場で一斉に、妙技を披露する初の試みを行う。全49分団約300人が参加し、観光客らが行き交う市中心部で披露することで、はしご登りの魅力や伝統を広く発信する。最終調整に臨んだ消防団員は「練習の成果を国内外の人に見てほしい」と意気込んでいる。
本江町の市消防訓練場では5日、第三消防団員約20人が練習に汗を流した。練習用の高さ4メートルのはしごを立て、団員は「ハイ」「ヤーヤー」と威勢の良い声を出しながら、ポーズを決めた。体の姿勢や向きを入念に確かめ、本番を心待ちにした。
保存会は1973年、はしご登りの保存と伝承のため設立した。50周年を迎えた今年は記念事業として、金沢駅鼓門前でも演技を披露してきた。
10日の特別演技は午前11時半に開始し、3会場に高さ約6メートルのはしごを計13本立てる。鶯(うぐいす)の谷渡りや横大、八艘(はっそう)飛びなどを息を合わせて繰り広げる。
当日に総指揮を務める黒瀬純一会長(66)は「力強い技を見せ、古くからの魅力を次世代に引き継ぎたい」と力を込めた。