19世紀から20世紀初頭にかけてのパリで活躍したモネやミュシャら巨匠たちの絵画や版画などを紹介する特別企画展「パリに行きたい!」(福井新聞社後援)が、福井市の県立美術館で開かれている。写真や工芸品などを含め計118点の多彩な展示から、「花の都」とたたえられる芸術都市の往事の雰囲気を伝える。10月15日まで。
当時のパリは大規模な都市改造や産業革命によるインフラ、技術の発展で最も刺激に満ちた時期とされ、多くの芸術家がその才能を開花させたという。
ミュシャの「モナコ・モンテ=カルロ」は、19世紀に発達した鉄道をPRするポスター。リゾート地に憧れる女性の周囲に、柔らかな色彩の草花を円や流線を描くように配置し、車輪やレールを思わせる構図で仕上げている。印刷技術の進歩で色とりどりのポスターが製作され、街を彩った様子も感じとれる。
19世紀後半の欧州では、浮世絵など日本文化が流行し「ジャポニスム」と呼ばれた。アンリ・リヴィエールのリトグラフ「エッフェル塔三十六景」は、葛飾北斎の「富嶽三十六景」から着想を得たという。モネの作品を代表する連作「睡蓮(すいれん)」の一つも展示する。会期中無休。