約千年の歴史を持つ福井市安波賀町の安波賀春日神社は、戦国大名の朝倉義景にあやかったオリジナルのお守り「お景さま守」を作り、7月から社務所で販売している。北陸新幹線の県内開業を契機に神社の知名度アップを図るとともに、売り上げを老朽化した神社の修繕費に充てる。
同神社は1068年に創建され、戦国大名朝倉氏の戦勝祈願所だった。現在は氏子が減少し本殿などが老朽化しているため今年春から、住民らが維持・管理に向けて境内の清掃や整備事業を始めた。同神社禰宜は「地元の氏神様をなんとか後世に残したい。(お守り販売が)修繕費捻出の足がかりになれば」と、オリジナルのお守り製作に乗り出した。
デザインは同町出身のグラフィックデザイナーが担当した。お守り袋には、近くの県立一乗谷朝倉氏遺跡博物館ミュージアムショップが考案した「あさみゅーチェック」柄を採用した。5代当主の義景が愛用した茶道具を入れる袋の柄がモチーフという。越前織で仕上げ、内符を越前和紙で奉製するなど、細部にまで福井の技を取り入れた。
一乗谷朝倉氏遺跡周辺に位置するも、なかなか観光客に足を止めてもらえない同神社。禰宜は「まずはこの神社を知ってもらうきっかけにしたい」と期待する。1体千円。問い合わせは同神社=電話0776(41)2307。