修学旅行生を案内する金沢商高の生徒=金沢城公園(同校提供)

修学旅行生を案内する金沢商高の生徒=金沢城公園(同校提供)

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高校生ガイドを能登、加賀に  石川県観光連盟が育成支援  修学旅行案内、誘致の材料に

北國新聞(2023年10月6日)

 石川県観光連盟は、県外から訪れた修学旅行生を案内する「高校生ガイド」の育成支援に乗りだした。今年度は能登と加賀の3校が地元の名所、魅力に理解を深める活動に取り組んでいる。県内では金沢商高の生徒が兼六園や金沢城公園で修学旅行ガイドを務め、好評を得ている前例があり、連盟は能登や加賀でも同世代の案内役を養成し、修学旅行誘致の材料や受け入れ態勢の充実につなげる。

 県観光連盟には、金沢商のガイド活動を知った七尾東雲、小松商、大聖寺実の3校側から「生徒の学びや成長につなげるため案内役育成の取り組みを導入したい」と相談があった。

 これを受け、連盟は今年度から、修学旅行に詳しい旅行会社社員を各校に派遣している。七尾東雲高は総合学科3年生9人、小松商高は総合情報ビジネス科3年生19人、大聖寺実高は情報ビジネス科3年生38人が、6月から観光ガイドの学習を順次開始している。

 七尾では皇族の休憩所として設けられた国登録有形文化財「御便殿(ごべんでん)」や信行寺などがある和倉温泉、小松では那谷寺や歌舞伎「勧進帳」の舞台となった安宅の関、加賀は山ノ下寺院群など大聖寺城下町について、生徒はそれぞれ現地に足を運んで歴史を学んだ。聞き手が興味を持つ話し方も磨いた。

  ●13日から模擬実施

 大聖寺実高が13日、地元の片山津中3年生に大聖寺城下町を案内するのを皮切りに、七尾東雲高と小松商高も11月下旬に模擬ガイドを行い、学んだ成果を試す。

 来年1、2月には3校の相互発表会を開催する。各校は年度内に、ガイドのコースや案内のノウハウなどを観光ガイドプログラムとしてまとめ、来年度以降、次の学年がガイドをする際にプログラムを使って学習するのに役立てる。

 観光を学ぶコースを設置している金沢商高では2011年から、生徒による観光ガイドに独自に取り組んでおり、21年度は15校、22年度は20校、今年度は18校を案内した。兼六園や金沢城公園では金城大短大部の学生もガイドを行っている。

 連盟によると、高校生が案内役を務めると、年齢の近さから修学旅行生が親近感を持ち、説明の内容にしっかり耳を傾けてくれる傾向があるという。県外の学校からも人気で、ガイドの存在が決め手となって石川を複数年にわたって修学旅行先に決めた学校もある。ガイド役の地元生徒にとっては、就職に必要なコミュニケーション能力の向上に役立つ利点がある。

 県と金沢市が昨年度に全国から誘致した修学旅行は348校に上る。コロナ禍により行き先を都市部から石川に切り替える「特需」があり、19年度の74校から大幅に増加した。

 コロナが収束し、全国的な修学旅行の誘致合戦は再び激化が予想されるが、連盟の担当者は「高校生ガイドは誘致に有効なプログラムになる」とみる。その上で「修学旅行生には同世代のガイドを通じて能登や加賀の魅力をさらに知ってもらい、旅の満足度を高めていきたい」と話した。

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