来年３月の北陸新幹線県内開業を契機にインバウンド（訪日客）を福井県内に呼び込もうと、台湾のサイクリストらを招いた視察ツアーが三方五湖や敦賀市などで行われた。世界的自転車メーカーがある台湾はサイクリングや体験型旅行の関心が高いという。五湖を見た一行は「すごくきれいで景色がいい。台湾の人は自然の中での体験が好きなので、多くの人が来てくれると思う」と話した。

　県観光連盟と県観光誘客課は、交流サイト（ＳＮＳ）で「Ｑ老師」の名前で活動しているインフルエンサー張佩蓉（ちゃんぺいじゅん）さんをはじめ、台湾のサイクリング協会理事長、旅行やサイクリング雑誌の編集者、記者ら７人を招いた。一行は１１日に福井県入りした。

　サイクリングは１２日に美浜駅前を出発するコースで行われた。町レイクセンターでは再生可能エネルギーで運航する電池推進遊覧船の説明を受けた。ボート競技が盛んなことやジビエ料理が楽しめることも聞き、張さんは「景色を楽しみカフェでくつろげるのはいい」と話し、遊覧船や雄大な景色を撮影していた。一行からは「（台湾の観光名所）日月潭（にちげつたん）のように美しい」「車も多くないし、走りやすい」の声も出ていた。

　水中綱引きが行われる美浜町日向の日向橋や、水月湖と久々子湖をつなぐ人工水路「浦見川」にも足を延ばした。サイクリングのほかは、車で熊川宿や越前陶芸村、県立恐竜博物館などを巡った。