福井県福井市立郷土歴史博物館の特別展「THE 福井駅前」(福井新聞社共催)のギャラリートークが11月26日、同館であり、明治から大正、昭和の景観の変遷をたどる展示の見どころを学芸員が紹介した。
特別展は、1896(明治29)年の北陸線福井停車場開業以降の福井駅周辺の様子を、人工知能(AI)でカラー化した写真などで振り返る。学芸員は、鉄道開通前の福井の繁華街は現在の通称片町の西側にあり、駅の位置が議論になった際、現在より繁華街に近づけると福井城址(じょうし)に工事の影響が及ぶことなどから反対が根強かったと解説した。
1933(昭和8)年の陸軍特別大演習に伴う昭和天皇の訪問を機に福井駅周辺が近代化し、「駅前の通りが舗装され、立派な建物が立ち並んだ」と指摘。一方で、西側の本町通りは昔ながらの商店が軒を連ねていたと語った。
市民ら20人が参加。祖母らと訪れた坂井市の男性は「駅前の風景が今と全然違っていて興味深かった」と話していた。
特別展は12月3日まで(会期中無休)。最終日も午前11時からギャラリートークがある。