福井県永平寺町上志比公民館の「上志比学勉強会」はこのほど、同町と勝山市をつなぐ「小舟渡橋」が今年架橋100周年を迎えたことを記念し、小舟渡の名前の由来やかつての様子などをまとめた冊子「小舟渡ものがたり」を発行した。公民館だよりに連載した地元の故・南部学さん(1915~2002年)の記事を基に編集。公民館は「小舟渡の過去の姿を知ってもらうきっかけになれば」としている。
同勉強会は公民館講座の一つで、昨年4月から月1回程度、地区の歴史、民話などを学んでいる。今年、永平寺町藤巻と勝山市北郷町森川を結ぶ九頭竜川の小舟渡橋が架橋から100周年を迎えることから、1996年9月から2002年7月に、公民館だよりに計20回連載した南部さんの記事「小舟渡ものがたり」をまとめようと企画した。
出来上がった冊子では、地籍ではないものの、同町藤巻のえちぜん鉄道小舟渡駅と、九頭竜川の対岸の一部を含んだ一帯を小舟渡と呼称されていたことについて「福井と勝山間の通称勝山街道では唯一、どうしても渡らなければならない渡し場があったことからである」と紹介している。
勝山市史に掲載されている小舟渡の様子などを撮影した写真とともに、同町側の山手に能楽堂などの施設を構えた「小舟渡遊園地」、勝山市側の河川敷には競馬場などがありにぎわった様子なども書かれている。
A5判14ページ。200部作製し地元の小中学校、公民館などに寄贈した。問い合わせは同公民館=電話0776(64)2244。