秋声が愛したレコードの音色を収録したCD=金沢市東山1丁目の徳田秋聲記念館

秋声が愛したレコードの音色を収録したCD=金沢市東山1丁目の徳田秋聲記念館

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秋声愛した音色再現、CDに 没後80年で記念館が企画

北國新聞(2023年12月23日)

  ●クラシック、ダンス音楽...
 徳田秋聲記念館は22日までに、金沢の文豪・徳田秋声(1871~1943)が愛し、作品や随筆に登場させたクラシックやダンス音楽などを、蓄音器で再生、収録したCDを制作した。秋声の没後80年を記念して企画。金沢蓄音器館の協力を得て、秋声が生きた時代のレコードを当時使われていた機器で鳴らし、本人が聴いていた音色を再現した。秋声の誕生日である23日から記念館に並べる。

 CDは「ツィゴイネルワイゼン」「カルメン」など10曲を集め、秋声の随筆である「レコオドと私」をタイトルとした。戦前の希少なSPレコードが音源となり、蓄音器で再生した調べをマイクを使ってアナログ録音した。

 秋声が「いつ聞いても胸が浮立つ」「もっとも好き」と語るビゼーの「スパニッシュ・セレナーデ」をはじめ、ナンバーワンダンサーの恋と死を描く長編小説「赤い花」でダンス音楽として登場する「巴里(パリ)の屋根の下」「碧(あお)きドナウ」なども収録した。

 歌劇「蝶々夫人」より「ある晴れた日に」で指揮を務めているのは作曲家の山田耕筰。山田は「音楽は胸で聴けばそれでいい」と秋声に自由な鑑賞法を勧めた人物で、この教えは後に秋声が登場人物のせりふの中にも取り入れている。

 薮田由梨学芸員は「秋声の作品と共に音楽に浸ってもらい、当時の西洋音楽の受容や秋声の思いを追体験してほしい」と話した。CDは23日から徳田秋聲記念館と金沢蓄音器館で取り扱う。限定200枚で、1枚2千円。

  ●秋声旧蔵のレコード披露
 24日は金沢勤労者プラザで、「秋聲没後80年記念コンサート」(北國新聞社後援)を開く。八日市屋典之蓄音器館長の解説で、秋声旧蔵のSPレコードの音色が披露される。オーケストラ・アンサンブル金沢のメンバーによる生演奏も楽しめる。

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