金沢市天神町1丁目の田井菅原神社で24日、加賀藩主に献上された鏡餅の飾り付けが再現され、正月の雰囲気を漂わせた。
田邊良和宮司と神社総代4人が、約50個の紅白餅を約1・2メートルの高さに積み上げた「床飾り餅」、松の木を立てた「蓬莱(ほうらい)飾り」、台形の餅二つを重ねた「櫓(やぐら)餅」の3点を組み上げた。
鏡餅は加賀藩12代藩主前田斉広(なりなが)が初めて藩内で正月を迎えた際に献上されたとされ、同神社では1997年から古文書や絵図を参考に再現している。
今年は天神白梅子供会と田井町子供会の親子が見学に訪れ、作業を見守った。田井町の高木悠真君(8)は「自分の家の鏡餅に比べると大きく、昔の殿様は偉かったんだなと思った」と話し、田邊宮司は「地域の子どもや若い人に見てもらい、加賀藩の正月文化の一つに触れる機会になればいい」と語った。
鏡餅は1月25日まで飾られる。