台湾・台南市が2024年の建城400周年を記念し、大みそかに行う400カ所以上で一斉に除夜の鐘を突くイベントに、石浦神社(金沢市本多町3丁目)が国内で唯一参加する。日本統治下の台南神社で当時、石浦神社宮司が神職を務めて以来、交流が続く縁で声が掛かった。石浦神社には鐘がないため、当日(日本は元日未明)は、太鼓を鳴らし、節目を迎える台南と金沢のさらなる交流を願う。
台南の歴史は1624年、オランダ人が築いた「安平古堡(あんぴんこほう)」の建城が始まりとされる。来年節目の年を迎えることから、台南市が世界平和を祈る鐘突き「400敲鐘祈福(チャウゾウンチイフウ)」を企画した。
日本統治時代、石浦神社の宮司が台南神社で神職をしていた頃、金沢出身の八田與一(よいち)技師が烏山頭(うさんとう)ダムを築くなど水利事業に尽力した。
現在24代目である長谷吉憲宮司(48)も台南大で非常勤講師として学生に日本食を教えたり、神社のキャラクター「きまちゃん」が台南のイベントに参加したりしており、石浦神社と台南との親交は続いている。
台湾と日本の時差は1時間あり、石浦神社では1月1日午前0時15分に拝殿で佐藤圭輔権禰宜(ごんねぎ)(41)が太鼓をたたく。イベントの模様はオンラインで世界各国へ同時配信される。
長谷宮司は「台湾は神様や仏様を大事にするところも日本と似ている。これからも交流を深めていきたい」と話した。