ツツジ、綿の木などを生ける蓮本さんと制作参加者=金沢市の金沢エムザ8階催事場

ツツジ、綿の木などを生ける蓮本さんと制作参加者=金沢市の金沢エムザ8階催事場

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能登へ思い込めて 北國花展20日開幕

北國新聞(2024年1月20日)

  ●金沢エムザで生け込み
 20日に開幕する第49回北國花展「伝統と現代」(北國新聞社、石川県いけ花文化協会主催)の生け込みが19日、会場となる金沢市の金沢エムザ8階催事場で行われた。選抜された各流派の出品者は「花の力で希望を届けたい」「少しでも和んでほしい」と能登への思いを花に託し、作品を仕上げた。

 前期出品者の74点と、全期間展示される大作10点の制作が行われた。元日の地震を受けて構想を練り直した出品者も多く、制作参加者と共に思いを形にした。被災した能登の華道家も生け込みに訪れた。

 「出品していいのか最後まで迷いがあった」と話したのは草月流の蓮本年山さん(羽咋)。今も断水が続く中で花材を準備した。着色したツツジにオンシジウム、ふわりと優しい綿の木を取り合わせた作品には「花に癒され、ほっとしてもらいたい」との願いを込めた。

 古流松照会の日野理敦さん(志賀)は近所で分けてもらった白梅を干支の辰(えとたつ)にちなんで大胆に生け、庭のミョウレンツバキを添えた。使う予定だった花器は地震で割れたが、日野さんは「厳寒に耐える梅や、地震があっても咲いた椿に希望を感じてほしい」と語った。

 嵯峨御流の長谷雅甫さん(中能登)は石動山で採れた古木と松に「被災した人に安らいでほしい」と明るいランとユリを入れて伝統花を出品した。年末に形を仕上げ、地震に耐えた作品を整えて寄せた被災地の華道家もおり、木の皮で造形したシャンデリア型の作品が希望の明かりを届けた。

 北國花展は北陸最高水準の選抜花展として1976(昭和51)年から毎年開催され、今回は15流派の156人が出品する。

 前期は20~23日、後期は25~28日で、24日は後期展の生け込みが行われる。入場料は700円、中学生以下は無料。期間中の各流派の出品者による作品解説が行われる。各日午後3時半開始で、日程は次の通り。

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