今年の干支(えと)「辰(たつ)」にちなみ竜にまつわる生き物を紹介する企画展が、福井市自然史博物館で開かれている。深海魚のリュウグウノツカイの標本など約80点を展示。信仰上で竜と同一視されたヘビ、コイが「竜門」と呼ばれる急流を登ると竜になる伝承など解説している。2月4日まで。
竜は干支の動物で唯一、想像上の動物。ヘビのような体に手足があり、頭にシカのような角と長いひげを持つとされ、日本各地に伝承や地名などが残されている。
海の中にあるとされる竜宮は、浦島太郎に登場する竜宮城などで知られる。リュウグウノツカイは水深200~千メートルに生息し、平らな体と赤いひれが特徴。全長は最大11メートルに達した記録がある。今回は2018年に京都府沖で捕獲された全長5メートルを超える標本を展示している。
竜を実在の生き物とする説もある。中国ではかつて巨大なワニが生息していたとされることから神格化され、伝説上の生き物に変わっていたのではないかという推論も。竜にちなんだ動植物として、特徴である長いひげに見立てた植物「リュウノヒゲ」、殻の模様から竜を連想させる巻き貝「リュウテンサザエ」などの展示もある。
展示の担当者は「十二支の動物をきっかけに、生き物へ興味を持ち自分で調べようと思ってもらえたら」と話していた。入館料100円。