台湾・台南市の烏山頭(うさんとう)ダムを中心とする灌漑(かんがい)施設「嘉南大圳(かなんたいしゅう)」の工事記録を振り返る写真展(北國新聞社後援)が30日、金沢市役所で始まった。27枚のパネルが並び、建設を指揮した金沢出身の八田與一(よいち)技師の功績を来庁者に伝えた。
八田技師が台湾の発展に貢献したことを若い世代に知ってほしいと、技師を顕彰する「八田技師夫妻を慕い台湾と友好の会」が金沢ふるさと偉人館から資料を借りて写真展を開いた。
嘉南平野15万ヘクタールの隅々に水を運ぶため河川に架けた「水路橋」や、給排水路の掘削に使った「エキスカベーター」の写真、病院や小学校を備えた職員宿舎略図などが展示された。
展示品を眺めた村山卓市長は、金市工高が2025年度から台湾への修学旅行を実施することに触れ、「郷土の土木技術者の業績を多くの人に知ってもらいたい」と話した。2月8日まで。