きつね色に焼き上がった小判菓子=2月1日、福井県小浜市駅前町の古谷製菓舗

きつね色に焼き上がった小判菓子=2月1日、福井県小浜市駅前町の古谷製菓舗

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笑顔、福呼ぶ小判菓子 節分の縁起物、製造ピーク 小浜市

福井新聞(2024年2月2日)

 2月3日の節分に神棚に供え、食べる風習がある福井県小浜市の小判菓子の製造が市内でピークを迎えている。唯一作っている菓子製造業者では、小判を模したきつね色の焼き菓子を次々と焼き上げ「子どもやお年寄りも食べればみんな笑顔になる。笑顔になれば福が来る」と作業に励んでいる。

 小判菓子は砂糖と小麦粉を原料に、縦6センチ、横4センチ、厚さ8ミリの小判型に焼き上げた菓子。サクサクした食感と素朴な味わいが特長。市食文化館によると、起源は定かでなく「一生お金に困らないように」という願いが込められているといわれている。節分の時期に小判菓子といり豆を一升枡(ます)に入れ、神棚などに供えたり、カヤの葉を大豆と一緒にいって供える地域もある。

 数年前まで市内で少なくとも4業者ほどが作っていたが、現在は古谷製菓舗(駅前町)のみ製造を続けている。

 昨年12月から作り始めた古谷製菓舗では、1月下旬ごろピークを迎えた。薄くのばした生地を楕円(だえん)形にくりぬき、オーブンで焼く作業場には甘い香りが漂う。焼きむらが出ないよう1度鉄板の向きを変え、15分ほど焼いたら完成する。

 50年ほど小判菓子を作り続けている経営者は「製造法は昔から変えていない。卵やバターを使わないシンプルな味わいで誰でも楽しめる」といい、黙々と手際良く作業を進めていた。「体が元気なうちは作り続けていきたい」と話している。

 約2万5千枚の製造、出荷を見込んでいる。

 1袋70グラムで価格は238円。同市やおおい町、高浜町のスーパーで購入できる。

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