オーケストラ・アンサンブル金沢(OEK)の能登半島地震復興支援チャリティーコンサートは6日、県立音楽堂コンサートホールで開かれ、出演者が「祈り、安らぎ、勇気」をテーマに癒やしの音色を響かせた。広上淳一アーティスティック・リーダーは「OEKは感謝と希望と勇気を、演奏を通して届けていく」とビデオメッセージを送り、今後も能登に寄り添うことを誓った。
冒頭、出演者と観客が地震の犠牲者に黙とうをささげた。コンサートは哀悼の意を込めて「G線上のアリア」として有名なバッハの「管弦楽組曲第3番」で幕を開け、OEKコンダクターの松井慶太さんの指揮でしっとりとした演奏を繰り広げた。
ハイドンのチェロ協奏曲第1番で清新な旋律を響かせたのはOEK名誉楽団員のチェロ奏者ルドヴィート・カンタさん。観客は音楽に身を委ねるように聴き入った。
OEKパーマネント・コンダクターの川瀬賢太郎さんはベートーベンの交響曲第7番でタクトを振った。川瀬さんや奏者はベートーベンが苦難を乗り越えて作曲した作品に復興へ向かう能登を重ね、力強い演奏を披露した。
アンコールの「ふるさと」では観客が一体となり声を合わせ、中には涙ぐむ人の姿もあった。会場には被災地を応援するメッセージボードが設置され、来場者がエールをしたためた。広上リーダーや池辺晋一郎洋楽監督、野村萬斎邦楽監督のメッセージも掲示された。コンサートの収益は被災地に全額寄付される。