OEKと安らぎの音色を広げたチェロ奏者のカンタさん(中央)=県立音楽堂コンサートホール

OEKと安らぎの音色を広げたチェロ奏者のカンタさん(中央)=県立音楽堂コンサートホール

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被災地へ癒しの響き 県立音楽堂でOEKチャリティー公演 広上リーダー「演奏で勇気を」

北國新聞(2024年2月7日)

 オーケストラ・アンサンブル金沢(OEK)の能登半島地震復興支援チャリティーコンサートは6日、県立音楽堂コンサートホールで開かれ、出演者が「祈り、安らぎ、勇気」をテーマに癒やしの音色を響かせた。広上淳一アーティスティック・リーダーは「OEKは感謝と希望と勇気を、演奏を通して届けていく」とビデオメッセージを送り、今後も能登に寄り添うことを誓った。

 冒頭、出演者と観客が地震の犠牲者に黙とうをささげた。コンサートは哀悼の意を込めて「G線上のアリア」として有名なバッハの「管弦楽組曲第3番」で幕を開け、OEKコンダクターの松井慶太さんの指揮でしっとりとした演奏を繰り広げた。

 ハイドンのチェロ協奏曲第1番で清新な旋律を響かせたのはOEK名誉楽団員のチェロ奏者ルドヴィート・カンタさん。観客は音楽に身を委ねるように聴き入った。

 OEKパーマネント・コンダクターの川瀬賢太郎さんはベートーベンの交響曲第7番でタクトを振った。川瀬さんや奏者はベートーベンが苦難を乗り越えて作曲した作品に復興へ向かう能登を重ね、力強い演奏を披露した。

 アンコールの「ふるさと」では観客が一体となり声を合わせ、中には涙ぐむ人の姿もあった。会場には被災地を応援するメッセージボードが設置され、来場者がエールをしたためた。広上リーダーや池辺晋一郎洋楽監督、野村萬斎邦楽監督のメッセージも掲示された。コンサートの収益は被災地に全額寄付される。

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