150年以上使われてきたみこし

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みこしわら飾り修繕一丸 小浜市「田の神祭り」伝統継承へ試行錯誤

福井新聞(2024年2月22日)

 福井県小浜市の池田、検見坂区の住民が地元の伝統行事「田の神祭り」を後世に残そうと、約150年の歴史があるみこしのわら飾り修繕に試行錯誤し取り組んでいる。飾りを作る技術はすでに失われ、年長者や子どもたちの手を借りながら作業を進め、みこしを生まれ変わらせる。

 田の神祭りは小浜市から若狭町上中地域にかけて、田植えを終えた5月から7月に五穀豊穣(ほうじょう)を祈り行われている。両区では現在、小中学生がみこしを台車に載せて引いている。今年は池田会館(同市遠敷)からスタートし、若狭姫神社(同)を訪れた後区内を巡る。

 みこしの大きさは約1メートル四方、高さ約1・5メートルほど。本体に「慶應四歳 奉再建」と記され、1868年から使われているとみられる。

 祭り本番は鈴などの金具のほか、麦わらで作った鳥居や柵、鳥をみこしの台座や屋根に飾り付けている。通常は祭りの1カ月前に、金具を磨いたりするのにとどまるが、今年は池田区の嶋﨑さんが古くなったわら飾りの修繕を区民に呼びかけ2月から作業を始めた。

 11日には池田会館に20人ほどが集まり作業に当たった。わら飾りの作り方を知る人はおらず、区内の年長者の知恵を借りながら、鳥居などのわら飾りの作り方を試行錯誤していた。また子どもたちも材料となるわらをむいたりして、作業を手伝った。

 嶋﨑さんは「子どもたちの元気な声を聞くとうれしく思う住民も多いので、子どもたちにも伝統をつないでいきたい」と話した。

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