金沢市工芸展の第80回記念展(北國新聞社など後援)は21日、金沢エムザ8階催事場で開幕し、若手作家の感性がさえる入賞作など、昨年より1点多い192点が出品された。能登半島地震復興へ思いを寄せる北國いけばな研究会の大作も花を添え、創造の美が節目を彩った。
能登ヒバと河津桜などを生けた大作が来場者を迎え、陶、漆、金工、染、木竹など各分野の入賞、入選作が並んだ。最高賞の市長最優秀賞に輝いた浅見惟さんの「掴(つかむ)」は、乾漆で作られた絶妙な箱のゆらぎが面白みを伝えた。
北國新聞社社長賞に選ばれた木瀬浩詞さんの金工「銅の絞跡」は鍛金で生まれるシワもデザインに取り込んだ意欲作。今年新設された第80回記念賞の野田怜眞さんの漆芸「Vanana[膨]」も注目を集めた。
茶道裏千家淡交会石川青年部による茶席もにぎわった。開場式では、村山卓市長、中川衛市工芸協会長があいさつした。
23日午後4時からと、25日午後2時からの2回、中川会長、十一代大樋長左衛門理事長と受賞者によるギャラリートークが開かれる。26日まで。