松本市の中心市街地で建築と現代アートを楽しむ「マツモト建築芸術祭」が23日、開幕する。今回は取り壊しが予定される旧市立博物館を主会場に、展示ケースやボイラー室を使った立体作品など17組の作家が参加。実行委員会は22日、報道陣や関係者向けの内覧会を開いた。
吹き抜けのエントランスホールでは、鬼頭健吾さん(46)=群馬県高崎市=が長さ8メートルの紙製の筒50本を円形の天井からつり下げた。2階に向かうらせん階段から鑑賞でき、建物の大きさを実感できる。地下のボイラー室には河合政之さん(51)=東京=が6色のケーブルを張り巡らせた空間に映像を不規則に投影。「ここがイマジネーションの場であったことをよみがえらせ、変化する生命体のようにした」とする。
旧博物館は1967(昭和42)年に完成し、床面積約3500平方メートル。当時は地方都市の博物館として大規模とされ、移転新築に伴う休館までの半世紀以上、市民や観光客らでにぎわってきた。
総合ディレクターのおおうちおさむさん(52)=同=は「古い建築が肯定された。博物館自体もアートの一つとして鑑賞して」と話していた。
3月24日まで。入場料大人2千円、高校・大学生1500円、中学生以下無料。新市立博物館での映像上映や信毎メディアガーデンでのワークショップもある。