北陸新幹線が県内全線開業する3月16日に金沢駅もてなしドームで開かれる音楽ライブで、金沢ジュニア・ジャズ・オーケストラ「JAZZ-21」とバイオリニスト木嶋真優さんが「遠隔共演」することになった。当日はJAZZ―21が金沢、木嶋さんが東京で演奏。次世代通信技術を活用して二つのメロディーを重ね、第2の開業を盛り上げる。
JAZZ-21は開業まで3週間となった今月24日、金沢入りした木嶋さんとともに市民芸術村でリハーサルに臨んだ。当日に披露する「フライ・ミー・トゥー・ザ・ムーン」など3曲を練習し、軽快なメロディーを息ぴったりに奏でた。
本番では、NTTが2030年ごろの実用化に向けて開発している次世代通信基盤「IOWN(アイオン)」を用い、2カ所の音源を合わせる。少ない消費電力で大容量・高品質のデータを低遅延で送信できるため、同じ場所で演奏しているかのような臨場感を味わえるという。
木嶋さんは「生音にどう音を重ね合わせるかに注目して楽しんでほしい」と話した。JAZZ-21の直江耀一朗さん(18)は「技術の進歩で音楽の選択肢の幅が広がってありがたい」と喜び、新谷美樹夫代表は「離れていても良い音を届けられると証明したい」と語った。
ライブでは、金沢から大阪を経由し、東京までつながる地下ケーブルを使用。もてなしドームのスクリーンに木嶋さんの映像を投影し、JAZZ-21のメンバーがスピーカーから流れる音を聴いてメロディーを奏でる。アイオン関連の実験は北陸で初めてで、接続距離は過去最長の千キロとなる。
ライブは「未来の金沢へつながる 光と音の最先端デジタルイベント」の一環で、当日の模様は市公式ユーチューブで生配信する。イベントでは、ゴーグル不要のVRディスプレーで北陸新幹線の映像を鑑賞する体験会なども開く。