東筑摩郡筑北村の刈谷沢神明宮で3日、五穀豊穣(ほうじょう)や子孫繁栄を願う「お田植祭(たうえまつり)」(県無形民俗文化財)があった。黒い牛の張り子を抱えた白装束姿の氏子に参拝者が雪を投げ付けると、境内に笑い声が響いた。
牛を導く「太郎」役の氏子の後を、代かきの動作をする「次郎」役が「毎年毎年やでござる」と言いながら境内を歩いた。他の氏子も列を作り、「ボーボー」と牛の鳴き声をまねながら境内を反時計回りに3周した。
参拝者は祭りの様子をしきりに写真に収めていた。諏訪郡下諏訪町から妻と訪れた石埜三千穂(いしのみちほ)さん(59)は「思った以上に古式だった。みんなが明るく笑っていておもしろい」と話していた。