金沢市は新年度、「全日本高校生WASHOKU(和食)グランプリ」(北國新聞社後援)の開催5回目を記念し、内容を拡充する。全国から選ばれた「金の卵」の技術の高さを市民にも知ってもらうため、8月の決勝に出場したチームのレシピを基に料理を振る舞う賞味会を開く。金沢を「和食の聖地」として、次世代を担う料理人の発掘・育成に向けた大会の狙いを広くアピールする。
市議会3月定例会に提出された当初予算案に開催費1300万円を計上した。
賞味会では、8月6日に金沢未来のまち創造館で行われる決勝に出場した6チームのうち、1チームのレシピをベースに料理を作り、市民や協賛企業など約30~40人に提供する。
副賞となる市内料亭での研修に合わせて実施し、参加者は前途有望な高校生が考えた本格メニューを味わう。
過去4回の決勝経験者54人のうち、現在、料理に携わる18人程度を招待してOB・OG会も開催する。金沢にゆかりのある若手料理人のネットワークを築き、食文化の担い手の育成や市内での就職に生かす。
グランプリは2019年、藩政期から培われた食文化の継承を目的にスタート。生徒2人一組でテーマに沿って料理を作り、プロの料理人ら5人が創造性や栄養バランスを審査する。19、21、22年は県勢の決勝進出はなかったが、昨年、市の料理人育成事業で腕を磨いた鵬学園高の2人が初めて決勝の舞台に立った。
市は5月10日まで「出汁(だし)を使った和食」をテーマにエントリーを受け付け、同月下旬の書類審査で決勝の6チームを選考する。新年度も育成事業を行う。担当者は5回記念企画について「全国屈指の技術を市民に知ってもらい、金沢ファンの料理人と途切れない縁をつくりたい」と話した。