第47回伝統九谷焼工芸展(北國新聞社後援)は8日、石川県立美術館で始まり、入賞作や九谷焼技術保存会員の出品作など、作家の磨き上げた技と鋭い感性が光る81点が展示された。
大賞に輝いた藤木美里さん(26)の「水天対飾(すいてんついかざ)り壺(つぼ)」は、対の壺に空と水中の生物をそれぞれ幻想的なタッチで描いた秀作で、北國新聞社賞に選ばれた川浦由華さん(51)の「朝薫(あさかおる)」は、早朝のバラ園のさわやかな空気を表現した花器となる。
釉裏金彩(ゆうりきんさい)人間国宝の吉田美統さんら重鎮の力作から、イグアナやネコの立体造形をあしらった器といった若手の意欲作まで幅広い作品が並び、来場者は足を止めて見入った。
開会式では保存会の武腰潤会長、井出敏朗能美市長らがあいさつした。10日午後1時半から武腰会長が作品解説する。17日まで。