長唄「四季の敦賀」に合わせた踊りの稽古を重ねるWギョーブ=3月3日、福井県敦賀市野坂

長唄「四季の敦賀」に合わせた踊りの稽古を重ねるWギョーブ=3月3日、福井県敦賀市野坂

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2人の「大谷吉継」が敦賀ゆかり長唄PRへタッグ ご当地ヒーロー双蝶と武将隊関ケ原組

福井新聞(2024年3月12日)

 昭和初期につくられた福井県敦賀市ゆかりの長唄「四季の敦賀」を幅広い世代に知ってもらおうと、2人の"大谷吉継"が立ち上がった。ご当地ヒーローの双蝶(そうちょう)のギョーブと、「古戦場おもてなし武将隊関ケ原組」(岐阜)の戦国武将キャラクター大谷吉継だ。長唄に合わせた2人の踊りは北陸新幹線敦賀開業翌日の3月17日、市みなとつるが山車会館で披露される。

 長唄「四季の敦賀」は、1932年に歌人の故土岐善麿氏、作曲家の故町田嘉章氏によってつくられた。「春」は金崎宮の花換まつり、「夏」は気比の松原、「秋」は敦賀まつり、「冬」は野坂山と水戸天狗(てんぐ)党などを題材に、国際港として栄えた敦賀の歴史を四季折々の情景とともに歌い上げる。継承者が途絶えたり、保存活動が停滞したりと何度も消滅の危機にひんしてきたが2018年、保存会が再結成された。

 北陸新幹線敦賀開業に向けてリニューアルされた市みなとつるが山車会館のイベントで、伝統芸能と2人のヒーローのコラボ企画が実現。保存会の杵屋勝浩矢さんは「市民のほとんどの人が『四季の敦賀』を知らないと思う。2人が新しい風を吹かせて伝統をつないでいくきっかけになったらうれしい」と期待する。杵屋さんは日本舞踊の師範、西崎雅さんとしても活動しており、2人のために特別な振り付けを用意し、本番に向けて細かな動きを伝授した。

 ギョーブは「敦賀のヒーローが地元の伝統芸能を踊ることで子どもたちにも『踊りたい』と思ってもらえたら」とポーズを決める。大谷吉継は「敦賀の民がつないできた伝統芸能を踊れることをうれしく思うておる。たびたび戦場(いくさば)(イベント)をともにしてきたギョーブ殿と良きものをお見せしたい」と踊りに磨きをかけている。

 長唄「四季の敦賀」演奏と踊りは17日午前11時から。前後にも大谷吉継パフォーマンスなどがある。

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