北陸新幹線金沢-敦賀開業を16日に控え、北陸の企業が開業日や「W7系」車両にちなんだサービス、商品を売り出している。新幹線グッズで客室を飾り付けたホテルや、開業日にちなんだ定期預金を用意する金融機関も。各社は、新幹線延伸で北陸全体が注目される好機とみている。
14日、小松駅東口の「変なホテル小松駅前」には、壁やベッド、カーテンなどの内装を北陸新幹線で飾り付けた客室が設けられた。室内には駅員の衣装や北陸新幹線のおもちゃ、顔出しパネルなども設置。開業の雰囲気を盛り上げる。
沿線の同業他社が連携するケースも相次ぐ。
北陸三県の駅弁製造5社は「シウマイ弁当」で知られる崎陽軒(横浜市)の協力を得て、各地域の特産品や郷土料理を取り入れた弁当を考案。5種類のパッケージを並べると線路がつながるデザインとした。ますずし製造販売の源(富山市)はバイ貝やホタルイカを使った海鮮チャーハンなどを盛り込んだ。
北陸の酒卸が加盟する北陸三県卸売酒販組合は、北陸3県で統一したラベルの日本酒「北陸の酒」を発売した。ラベルには新幹線車両の周囲に各県の名物を描いており、石川は鼓門、富山は黒部ダム、福井は恐竜などを採用した。
PLANT(坂井市)は今月1日から、石川、富山などの24店で「いこっさ!福井」と銘打ったフェアを開催。福井の名産品などを100種類用意し、豊かな食文化をアピールしている。
11日からは企画商品として、福井名物として親しまれる「ヨーロッパ軒のソースカツ丼」と「ペヤングソースやきそば」がコラボした商品などもそろえた。16、17日は試食会も開催する。
金融機関では、北陸銀行が開業日にちなみ、金利を年3・16%に設定した「延伸記念パック定期預金」の取り扱いを18日から始める。
期間中に投資信託を50万円以上一括購入し、定期預金に50万円以上預け入れた個人が対象。預入期間は3カ月。延伸区間距離125キロに合わせ、預入額の0・125%を能登半島地震の復興支援として寄付する。9月30日まで受け付ける。