浅間山(長野・群馬県境、2568メートル)の山開きが8日、小諸市の天狗(てんぐ)温泉浅間山荘前であった。同市のこもろ観光局が主催し、約250人が参加。噴火警戒レベル2(火口周辺規制)で火口から半径約2キロの立ち入りが規制されている中、神事で安全を祈願した。その後のセレモニーでは夏山シーズンの到来を祝い、登山者たちが早速、新緑の中を歩いた。
大浅間火煙(かえん)太鼓保存会が力強い演奏でセレモニーを盛り上げ、浅間山麓の行政や観光関係者らがしめ縄をカットした。こもろ観光局の花岡隆理事長(75)は規制がある中でも「浅間山でしか味わえない景色や自然を十分楽しんでもらえると思う」とあいさつ。小泉俊博小諸市長は「観光と防災を両立させていきたい」と強調した。
埼玉県から家族と訪れた会社員の柴崎知美さん(37)は昨年初めて浅間山の外輪山、黒斑(くろふ)山を登ったといい、「上級者でなくても楽しめた。きれいな景色も気に入って再訪しました」と話した。
セレモニー後、こもろ観光局が希望者を募り特別天然記念物のニホンカモシカを観察する記念登山もあった。