31日に開幕する第73回金沢百万石まつりに合わせ、能登の祭りの象徴であるキリコが6月1、2日、金沢城公園に出張展示される。輪島市の輪島キリコ会館で保管されている総輪島塗の1基を運び込み、県内外から訪れる大勢の来場者に披露する。県無形民俗文化財の「御陣乗(ごじんじょ)太鼓」やご当地獅子舞も登場する予定で、能登の魅力を発信するとともに復興に向けた機運を高める。
●高さ5メートル、総輪島塗
キリコは金沢城公園三の丸広場に設置される。2016年、キリコ祭りの日本遺産認定を記念して輪島市が制作。高さ約5メートルで、輪島塗の随所に金箔の装飾が施されている。保管先の輪島キリコ会館は元日の地震で被災し、内部にあった約20基が損壊したが、このキリコは無事だった。
三の丸広場で両日に催される百万石まつりの特別協賛行事「盆正月」のステージでは、御陣乗太鼓と獅子舞を繰り広げる。同太鼓保存会が400年以上前から伝わる迫力の音を響かせるほか、輪島市のジュニア和太鼓チーム「輪島・和太鼓 虎之介」も出演する。
羽咋市からは、神子原壮年団と千路町獅子舞太鼓保存会が参加し、勇壮な獅子舞の演舞を見せる。
●行列では横断幕掲げ
1日に行われるメイン行事の百万石行列では、先導隊が能登応援のメッセージを記した横断幕を手に行進する。金沢駅東広場前で行われる出発式では、輪島市のプロ和太鼓奏者今井昴さんが県太鼓連盟とともにばちさばきを繰り広げる。
展示されるキリコの運搬費用や能登の出演者の交通費は、百万石まつり実行委員会が全額を負担する。盆正月の会場には能登の特産品を並べるブースが出店し、募金箱や復興への願いを記すメッセージボードを設ける。
実行委の担当者は「多くの人に能登の文化を体感してもらい、金沢の祭りの元気を能登に届けたい」と話した。