全国で空き家などの遊休資産を活用している観光業の「ＧＬＯＣＡＬ（グローカル）」（神奈川県逗子市）が、新潟県佐渡市多田の旧旅館を１棟貸しの宿泊施設「ＧＬＯＣＥベースキャンプ松ケ崎」に再生し、７月４日にオープンした。

　ＧＬＯＣＡＬはジェイアール東日本企画新潟支社と連携し、佐渡市で分散型ホテル構想を進めている。宿根木では伝統的家屋の２部屋を借りて宿泊施設に、羽茂大橋の古民家では企業向けの滞在型研修施設をそれぞれ運営している。地元企業と進出企業の連携を促す国交付金事業に採択され、３施設の整備費などとして、市の補助金も合わせて約２５００万円が交付された。

　多田の旧旅館の名前は「泉屋」で３階建てで、小さな中庭がある。ＧＬＯＣＡＬに貸している所有者によると、築５０年ほどで、約２０年前までは宿泊業やそば屋が営まれていたという。

　ＧＬＯＣＡＬは残されていたたんすなどの調度品や美術品を各所に置き、旅館時代の雰囲気を残した。食事は原則自炊のため、１階にキッチンやリビングの共有スペース、風呂や洗濯機などを備えた。１部屋に２人ずつで、計１０人程度が宿泊できる。

　海岸が近く、海水浴客や釣り客の利用を見込む。松ケ崎は日蓮や世阿弥が上陸した地であることから、ゆかりの地の訪問者も期待する。料金は１泊５万円程度で、長期滞在割り引きもある。

　２部屋に計４人が泊まれる宿根木の「ＧＬＯＣＥベースキャンプ宿根木」は、１人１泊１万円程度。

　いずれも申し込みは宿泊予約サイトから。