残雪と青空に稜線(りょうせん)がくっきり―。中央アルプスの開山式が28日、標高約2600メートルの千畳敷で開かれた。午前10時すぎ、晴天の千畳敷は気温8・4度まで上昇。暖かな日差しの下、神事やアルプホルンの演奏などがあり、観光、行政、山岳関係者ら約150人が今季の安全を祈った。
千畳敷の積雪は約2・9メートルで例年より少なめというが、スキーやスノーボードを楽しむ人もいた。開山式に毎年訪れるという駒ケ根市赤穂の主婦川上メイ子さん(75)は「天気が良い。ジャンパーが要らないなんて初めて」。
昨年度は長雨や台風の影響、雪害による運休で、千畳敷に上がる「駒ケ岳ロープウェイ」の利用者が例年より2割ほど落ち込み、地元観光業にも影響が出た。ロープウエーを運行する中央アルプス観光(駒ケ根市)の森川優社長は「年間を通じて恵まれた状況になればいい」と期待していた。