「コスモスの名所」誕生のきっかけとなったコスモス迷路を復活させようと、福井市宮ノ下地区の児童らが28日、同市江上町の宮ノ下コスモス広苑(こうえん)の一画で種まきを行った。10月に同広苑で開かれる「福井コスモスまつり」でのお披露目に向け、丁寧に種をまいた。
同地区のコスモスは1993年に1軒の農家が休耕田を利用し、約30アールのコスモス迷路を作ったのをきっかけに栽培が広がった。現在では約17ヘクタールの畑に、毎年秋には約1億本のコスモスが咲き誇り、大勢の人が訪れる観光名所になっている。
迷路は近年は作らなくなっていたが、昨年住民から望む声が上がったのを受けて「まちづくり宮ノ下地区委員会」が企画した。重さ約30キロ分の種を幅約30メートル、奥行き約100メートルの畑にまき、花の壁を作る計画を立てた。
この日は鶉小の児童や地区住民約40人が参加した。雨がぱらつく中、大人が畑を3メートル間隔にロープで四角く区切り目印を作ると、かっぱ姿の児童らは紙コップいっぱいに入った種を持ち、ぬかるんだ畑に足を取られながらも曲がらないように丁寧にまいていった。品種は「センセーション混合」で、秋には大人の目線ほどの高さに育ち、ピンクや白、紫色などの大きめの花を咲かせる。
同委員会の片川秀則委員長は「種をまいた子どもたちが、コスモスの迷路で楽しそうに遊び回る姿が今から目に浮かぶ」と笑顔を見せた。