マミーボード(右)などの古代エジプト美術に見入る児童たち=3日、福井市の県立美術館

マミーボード(右)などの古代エジプト美術に見入る児童たち=3日、福井市の県立美術館

福井県 福井・永平寺

古代の秘宝 エジプト展開幕 県立美術館

福井新聞(2015年7月4日)

 世界屈指の古代エジプト美術品収集で知られるガンドゥール美術財団(スイス・ジュネーブ)の所蔵品を日本初公開する「古代エジプト美術の世界展 魔術と神秘」(同展実行委=県立美術館、福井新聞社、福井テレビ主催)が3日、福井市の同館で開幕した。紀元前の王(ファラオ)や貴族らの副葬品約150点を展示。初日から多くのファンが詰めかけ、5千年の眠りから覚めた秘宝の数々に魅了された。

 エジプト文明は紀元前3000年ごろナイル川の流域で誕生し、約3千年にわたって栄えた。古代エジプト人は来世での再生復活を信じ、神殿や墓に色鮮やかな絵画やレリーフ、彫刻などを副葬した。副葬品には文字や形が刻まれているものもあり、そこからは人々の生活と精神世界を垣間見ることができる。

 同展は、棺や彫像、石碑、レリーフなどさまざまな副葬品を紹介するとともに、そこに刻まれたヒエログリフ(聖なる文字)や素材、色の意味を解説しながら、古代エジプト美術の魅力に迫る。

 3章で構成され、第1章「ヒエログリフの魔術」では、書写の創案者であるトト神の彫像や多彩なレリーフ、アミュレット(お守り)など27点を展示。第2章「素材の魔術」は、通称「死者の書」の中で、最も有名な「呪文125」の一場面の絵など111点が並ぶ。「色の魔術」をテーマにした第3章は、棺や彫像など9点に焦点を当てる。死者が、来世で復活することを願うヒエログリフなど、装飾的な絵や文様が色彩豊かに描かれた「マミーボード」(ミイラに被せられた木製の蓋)などを紹介する。

 美術鑑賞で訪れた春山小の高山優之輔君(4年)は、棺を見て「昔、ミイラが入っていたと思うと不思議な感じ。絵のようなものがいろんな色で描かれていてどういう意味か知りたくなった」と笑顔を見せていた。

 会期は8月30日まで(7月21日、8月3日休館)。

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