「おいで祭り」の名で知られる気多大社(羽咋市)の平国祭(へいこくさい)は18日、神輿(みこし)行列の巡行が始まり、先導する神馬(しんめ)の響かせるひづめの音が能登路に春の訪れを告げた。行列は23日まで羽咋市、志賀町、中能登町、七尾市を回る。
午前7時、神職や烏帽子(えぼし)姿の若衆「白丁(はくちょう)」ら約20人の行列が大社を出発した。金大馬術部から借り受けた神馬2頭のうち、雌8歳のオーロラが行列を先導し、雄20歳のピエッサに松尾孝夫宮司(72)が十数年ぶりに乗った。
祭りは、大社の主祭神である大国主命(おおくにぬしのみこと)が邪神を征伐し、能登を平定したとの伝承に由来する。「寒さも気多のおいでまで」と言われ、沿道の住民に親しまれており、軒先で行列を待ち受け、手を合わせる人の姿が見られた。