冬至の21日、金沢の地名の由来となった兼六園の「金城霊沢(きんじょうれいたく)」では、太陽が霊沢の中心を通るように見えた。霊沢を囲む東屋(あずまや)の真後ろに沈む夕日が井戸の中央に映り込む神秘的な光景に、来園者が見入った。
この現象は、この日も参拝に訪れた建築士山田憲子さん(41)=金沢市=が5年前に気付いたという。冬至の日に霊沢を訪れる人は年々増えており、山田さんは「今年もロマンチックな夕日を楽しめた」と笑顔を見せた。
金澤神社の厚見正充宮司によると、東屋は江戸後期に建てられたとみられる。厚見宮司は「冬至の時、夕日が真ん中に沈むように計算して作ったのではないか」と話した。