砺波市内にある二つの道の駅で、農産物の販売が好調だ。地元野菜の取り扱う種類を増やしてきており、消費者から人気を集めている。稲作が中心の市内で県やJAが園芸作物の生産を呼び掛けたことで水稲との複合経営が進み、タマネギを中心に野菜が栽培されるようになったことが背景にある。
JAとなみ野などが運営する道の駅「となみ野の郷(さと)」(同市宮沢町)は2011年4月にオープン以来、農産物の売上額を毎年度伸ばしている。11年度は5339万円だったのが、15年度には1億1476万円となり、16年度は1億1700万円弱を見込んでいる。第三セクター・庄川開発が営む「道の駅庄川」(同市庄川町示野)も農産物の売上額を順調に伸ばしており、置き始めた13年度の売上額は数十万円だったが16年度は1千万円ほどを予想している。多くの種類がそろうほか、多くのともに地元産の新鮮な野菜が小売店より1割ほど安く買うことができるのも人気の理由だ。
県やJAは10年度から園芸作物の1億円産地づくり事業を始め、水稲との複合経営を促している。JAとなみ野管内の砺波、南砺両市で生産されるタマネギは生産拡大を進める品目の一つ。作付面積は16年度が105ヘクタールで5年前より約40ヘクタール増加。販売額も4億円を超え、事業の中では最大の成功例となっている。県農産食品課は「水稲が中心だったとなみ野管内でタマネギが成功し、他の野菜にも挑戦する素地ができた」とみている。
野菜の生産者が増え、各道の駅に農産物を納める生産者協議会の会員も伸びてきている。となみ野の郷は開業前の10年度は110人だったが、現在は倍以上の249人となった。道の駅庄川も13年度の35人から現在は50人となった。多くの種類が納められるようになり、となみ野の郷では現在は多い時に30種類ほどがそろう。同JAによると、開業時より種類は増えているという。2店では現在、雪中野菜のキャベツやニンジンなどがそろっている。
道の駅庄川の運営は4月から庄川開発から別団体に移管される見込みで、同月にリニューアルオープンするため、2月末でいったん閉店する。木村繁夫駅長は「改装で売り場は広くなる。庄川おんせん野菜など地域のブランドのPRを進めてほしい」と話す。となみ野の郷担当の福島聡美さんは「会員数を増やし、品数をさらに多くしたい」と語っている。