森記念秋水美術館(富山市千石町)の1階ロビーに置かれたカプセル玩具販売機が来館者に好評だ。
刀剣がメインの美術館だけに、日本刀を模したおもちゃが中に入っている。「刀剣女子」と呼ばれる名刀好きの若い女性ら、幅広い世代が硬貨を入れては「ガチャガチャ」と回している。
販売機は「刀剣」と「刀剣のつば」の2種類ある。1回300円で、刀剣は豊臣秀吉の「にっかり青江(あおえ)」や上杉景勝の「五虎退(ごこたい)」、つばは織田信長の「へし切長谷部(きりはせべ)」や坂本龍馬の「陸奥守吉行(むつのかみよしゆき)」など、歴史上の人物が愛用した逸品がそろう。
美術館の個性を伝え、来館者に喜んでもらえるものをと、ゴールデンウイークに合わせて4月30日に置いた。販売開始から3日目で、用意したカプセルが売り切れ、急きょメーカーから取り寄せるほどの人気になっている。
ショッピングセンターなど、商業施設に多いカプセル販売機を美術館に置くという斬新な発想が、多くの人の心を捉えているようで、浅地豊館長は「来館者が家族や友人と刀剣について語るきっかけとなり、美術館のPRにもつながればいい」と話している。