南砺市西明(城端)出身の農業研究家、故稲塚権次郎さんの生誕120年を記念した「権次郎まつり」が9日、同市の蓑谷地区体育館で開かれ、呼び物の「権次郎牛丼」を味わったり、特産加工品を買い求めたりする人でにぎわった。
権次郎さんは、世界の食糧危機を救うきっかけとなった小麦農林10号を育種したことで知られる。まつりは権次郎さんを顕彰し、地元の農畜産物をPRしようと、西明を含む蓑谷地区の自治振興会や村づくり協議会などでつくる実行委員会(谷崎猛委員長)が2年ぶりに開いた。
権次郎牛丼には、地元で特別栽培されたコシヒカリと市内産の牛肉が使われ、買い求める人が長い列を作った。農林10号を使ったそうめん、たこ焼きなども販売され、来場者がおいしそうに味わっていた。
会場には、権次郎さんの写真や年表、2017年産の農林10号の実物が展示され、来場者が功績を学んだ。
住民らによるカラオケ大会には、権次郎さんの生涯を描いた映画「NORIN TEN~稲塚権次郎物語」の稲塚秀孝監督や田中幹夫市長が飛び入り参加。歌手による歌謡ショーもあり盛り上がった。