郷愁誘う童画で知られる画家、中島潔さん(74)の創作を一堂に紹介する企画展が15日、県水墨美術館で開幕した。自然に遊ぶ子どもや、色彩豊かな故郷の情景など、生きる喜びを伝える約120点が並ぶ。会場には待ちわびたファンが次々と訪れ、繊細でぬくもりあふれる世界に浸った。
企画展は「中島潔"今"を生きる-そして伝えたいこと」と題し、2015年に京都市の六道珍皇寺(ろくどうちんのうじ)に5枚組の連作「地獄心音図(こころねず)」を奉納したことを記念して開いた。
佐賀県出身の中島さんは、独学で絵を修業し、NHK「みんなのうた」のイメージ画で注目を集めた。日本の原風景を美しい四季に乗せて描く作風から「風の画家」の愛称で親しまれている。
会場には「地獄心音図」をはじめ、1970年代の初期作品から新シリーズ「新しい風」までそろい、五箇山の合掌造り集落を取材した新作「永久(とわ)への言葉」も並ぶ。
開会式では、石井隆一知事、板倉北日本新聞社長に続いて中島さんが「これからも皆さんに『よくやった』と喜んでもらえるような作品を描いていきたい」とあいさつ。協賛した医療法人財団五省会の西能淳理事長、北陸銀行の坂井鉄路広報CSR室長、ユニゾーンの梅田ひろ美会長、中川美彩緒(みさお)館長が加わりテープカット、開幕を祝った。
11月5日まで。県水墨美術館と北日本新聞社でつくる実行委員会主催。