北陸の工芸の魅力を発信する「国際北陸工芸サミット」のシンポジウムが18日、富山市木場町の富山県美術館で開かれた。約120人の聴衆を前に、国内外の専門家や作家が、日本工芸の課題や展望について活発に意見を交わした。
討論会は、英国ヴィクトリア&アルバートミュージアムのルパート・フォクナー日本美術担当上席学芸員、同サミット選考委員長の青柳正規東京大名誉教授(東京)、金属作家の畠山耕治さん(高岡市)、ロフトワーク代表取締役の林千晶さん(東京)がパネリストとなり、選考委員でジャーナリストの川上典李子さん(同)がコーディネーターを務めた。
パネリストからは、質の高さに最も価値を置く工芸の在り方に対し、「創造性を重視する世界のアートシーンにおいて非常にユニークな存在。だからこそ注目が高まっている」との意見があった。工芸の将来像については「エンジニアなど異分野とコラボレーションすることで表現の可能性が広がる」という提言が出された。フォクナーさんが「工芸に未来はあるか」と題して基調講演した。
シンポジウムは23日午後2時から、高岡市のウイング・ウイング高岡でも開く。
同サミットは北日本新聞社など後援。