第74回現代美術展(一般財団法人石川県美術文化協会、北國新聞社など主催)は29日、金沢市の県立美術館と金沢21世紀美術館で開幕し、美術文化王国石川が誇る日本画、洋画、彫刻、工芸、書、写真の6部門の計1129点が公開された。作家魂を燃やし続ける重鎮から、新風を吹き込む若手までが世代や会派を超えて美を競い、来場者に深い感動が広がった。
現美は全国トップの地域美術展として高く評価されており、歴代の出品者から文化勲章受章者や文化功労者、日本芸術院会員、人間国宝など世界に誇る作家が誕生している。
県立美術館では洋画と彫刻、工芸、金沢21世紀美術館では日本画と書、写真の意欲作が展示された。
初日から作品解説が始まり、県立美術館では県美術文化協会員の長谷川清さんが、日本芸術院会員の村田省蔵さんらの秀作の見どころを紹介した。
長谷川さんは作者が世界観を持って表現する大切さを説き、美術文化大賞に輝いた大森啓(あきら)さんについて「揺るがない信念を持って制作に打ち込んでいる」と解説した。大森さんの妻で一般の洋画で最高賞を受けた長谷川宏美さんは自身の次女と紹介し、「私を含め、出品した3人の絵はそれぞれに個性がある。だから面白い」と語った。
金沢21世紀美術館では美文協理事の古澤洋子さんが日本画を解説した。
会期は4月15日まで。入場料は一般1千円、高校・大学生600円、小・中学生500円で、開場時間は午前9時半~午後6時となる。