阿智村伍和の栗矢(くりや)地区にある栗矢八幡社で、やおよろずの神々に郷土芸能を奉納する「栗矢の無礼講」が、30日までの毎晩開かれている。21日夜は、「百鬼ゆめひな」の屋号で活動する飯島町の人形師飯田美千香さんが出演。てんぐと人形が織りなす幻想的な舞が観客約50人を魅了した。
同地区の住民と同村昼神温泉郷の旅館による実行委員会の主催で11年目。今年は14日に始まり、期間中、地元の創作獅子舞「阿智黒丑舞(くろうしまい)」や和太鼓、三味線などが披露される。
21日は雨のため、境内にある回り舞台で上演した。神事後、尺八の一種「法竹(ほっちく)」奏者の児玉宏幸さん(松川町)の演奏で、てんぐの格好をした飯田さんが荒々しい足取りで登場。赤い着物の女性を模した人形を後ろから抱きかかえるようにして激しく、時にたおやかに操った。金沢市の会社員岩木美奈さん(24)は「女性が演じると聞いていたが、てんぐが出てきてびっくり」と話していた。
開演は連日午後8時。無料。出演団体などの問い合わせは実行委(電話0265・43・3211)へ。