商品開発へ意見を出し合う参加者 =高岡市デザイン・工芸センター

商品開発へ意見を出し合う参加者 =高岡市デザイン・工芸センター

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銅器・漆器...高岡伝統の技コラボ 企業の枠超え新商品

北日本新聞(2018年9月27日)

 銅器や漆器など高岡市の伝統産業に携わるメーカーや問屋関係者らが集まり、企業や業種の枠を超えて新商品開発に取り組んでいる。それぞれが持つ課題や悩みを共有し、アドバイスし合ったり、コラボレーションしたりして、デザイン性の高い新たな商品を続々と生み出している。10月から一部試験販売を行う。

 市デザイン・工芸センターが「課題のデザイン」をテーマに、昨年度から行っている新商品開発プロジェクト。売り上げの減少が続く伝統産業に活力を与える事業として期待を集める。

 13社から14人が参加し、プロダクトデザイナーの安次富(あしとみ)隆さん(東京)の監修の下、月1回程度同センターで研究会を開催。試作品を持ち寄り、意見交換を重ねてきた。

 駒井漆器製作所(高岡市東海老坂)専務の駒井康亨(やすゆき)さん(45)は「自分が欲しい漆器」を課題に挙げた。今までにない商品を作りたいと思い、参加者の助言を受けながら「鍛木皿(たんもくざら)」を考案した。トチやヒノキの表面に槌目(つちめ)を施し凹凸を表現した器で、技法は特許を出願中だ。「ものづくりのスペシャリストが集まり、いろいろな面でアイデアをもらい助けられた」と言う。

 問屋など製造現場を持たない企業からの参加者は「素材を生かしたデザイン」という課題を持ち、鋳造メーカーと共同で鋳物の模様や鋳肌を生かしたおろし板を開発した。螺鈿(らでん)を施したインターホンパネルや音が鳴る真ちゅう製のグラスなどもプロジェクトから生まれた。

 試験販売は10月7日から来年3月24日まで、能作(同市オフィスパーク)のロビーで行う。約20点を並べ、アンケートを行うなど消費者の意見を聞く機会にもする。同センターの日野利(とおる)副所長は「新商品開発が会社を大きく変えるという思いで真剣に研究してきた。成果を見てもらいたい」と話している。

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