冬に収穫期を迎える海藻「ナガラモ」が15日、氷見市比美町の氷見魚市場に初出荷された。市内の民宿や飲食店ではナガラモを使った「海とろめし」がメニューに加わり、観光客が旬の味を楽しんだ。
ナガラモはホンダワラ科のアカモクの別称で、県内では氷見市が最大の自生地。氷見漁協は資源保護のため2013年度から漁期を定め、出荷量は1人につき1日30袋(1袋500グラム)まで、上部の4分の1だけ収穫するというルールを設けている。
今季は年明けから毎週生育状況を確認し、一定の成熟度に達したとして出荷を解禁した。15日は専用の袋620個が市場に並び、競り人の威勢の良い声が響いた。同漁協は品質、収量とも例年並みを見込んでいる。
海とろめしは、ナガラモをとろろ風にしてご飯にかける一品。民宿や飲食店、氷見商工会議所でつくる氷見朝食研究会が、10年度に観光の新たな目玉として考案した。
同市北大町の民宿「魚恵」ではナガラモを湯通しし、包丁でたたいて粘り気を出し、粗く刻んだものと混ぜて仕上げる。卵やしょうゆで味付けし、刻んだ漬物などと組み合わせる。
店主の濱出勝之さん(73)は「これからさらに粘りが出て、おいしい季節になる」と話した。
ナガラモは1、2月が旬で、今後の出荷や生育の状況を見ながら漁期を定める。