高岡市美術館で開催中の第58回日本伝統工芸富山展に出品している工芸作家と、村上隆館長によるトークショー「手わざ-伝統工芸のこれから-」が31日、同市御旅屋町の御旅屋セリオで開かれ、同展の見どころや伝統工芸の未来について語り合った。
同展で最高賞の日本工芸会賞に輝いた中村孝富さん(金工、高岡)と、県知事賞を受けた大澤浩美さん(染織、富山)、枡田篤史さん(漆芸、射水)の日本工芸会富山支部会員3人が出演。村上館長が司会を務めた。
初めに3人が各自の出品作の制作意図や特徴、同展に並ぶ全国の重要無形文化財保持者(人間国宝)らの賛助出品作の魅力などを紹介した。
伝統工芸の将来を展望し、大澤さんは「見る人が手に取ったり、身に着けたりしようと思うものを作っていく必要がある」、中村さんが「伝統を踏まえ、新たなものを考えていきたい」と述べた。枡田さんは暮らしのさまざまな場面でAI(人工知能)の活用が進んでいることを意識し、「人間を人間たらしめるものは美であり、作り手は美しいものを作っていかなければならない」と話した。
同展では、金工、漆芸、木竹工、陶芸、染織、人形、諸工芸の7部門の入賞・入選作に、人間国宝らの賛助出品作などを加えた168点を展示している。
トークショーは北日本新聞社共催。