夏山シーズンに向け、北アルプス・剱岳(2999メートル)の山開きが1日、上市町馬場島の登山口で行われ、関係者らが登山者の安全と遭難犠牲者の冥福を祈った。
剱岳鎮魂(しずたま)の社(やしろ)前で安全祈願祭と鎮魂祭があり、町や県、県警、山小屋などから約130人が出席した。坂井穂悦町観光協会長や中川行孝町長、遭難犠牲者の遺族らが玉串をささげた。
坂井会長は「事故を教訓に遭難防止に取り組み、安全な登山を楽しんでもらえるように努めたい」とあいさつ。早月小屋を営む佐伯謙一さんが「剱の歌」を歌い、関係者がテープカットした。
記念イベントの中山(1255メートル)の登山に26人が参加した。
同協会によると、1959年以降に剱岳方面で352人が亡くなっている。昨年度も死者が出ており、県警などは万全の装備や無理のない登山計画を呼び掛けている。