南砺市の井波芸術の森公園で開かれている「南砺市いなみ国際木彫刻キャンプ」に、現代造形作家で日展会員の横山善一さん(79)=同市山斐・井波=が通訳ボランティアとして参加し、海外の招待作家と親睦を深めている。横山さんは「キャンプを通じていろんな国際交流が生まれればうれしい」と期待を寄せる。 (福野・井波支局長 正橋悠)
横山さんは、東京芸術大と同大大学院で彫刻を学んだ後、パリに5年間留学。フランスやドイツなど欧州を中心に10カ国で木彫刻のシンポジウムに参加し、世界中のさまざまな作家と親睦を深めてきた。今回、日本遺産に昨年認定された井波の文化を多くの人に伝えようと、通訳に応募した。
木彫刻キャンプの招待作家、コスミン・ヒリスティアさん(ルーマニア)とは約10年前にイタリアで知り合い、海外のシンポに計4回一緒に参加している。キャンプ開幕直前の17日には、自宅で歓迎会を開いて食事を楽しんだ。ヒリスティアさんは「横山さんは日本人で初めての友人。彼の彫刻への取り組み方には感銘を受けている」と笑顔を見せる。
キャンプでは、フランス語を公用語とするベナンのセバスティアン・ボコさんを担当。マスコミに対応したり、来場者に作品やベナンについて説明したりしている。ボコさんは横山さんが現代造形作家と知り、作品に興味を示したという。横山さんは通訳の合間を縫って、国内外の招待作家とも会話を交わした。
公開制作は28日まで続く。横山さんは「作家同士で刺激し合い、より良い作品に仕上げてほしい」と話している。