富山市猪谷(細入)の市猪谷関所館で2日、企画展「神通峡のかけ橋~籠渡(かごのわた)しから橋梁(きょうりょう)へ~」が始まった。同館はVR(仮想現実)技術を活用した機器を導入しており、来場者が専用ゴーグルを着けて籠渡しを体験した。
VRで再現したのは、江戸時代に現在の富山市蟹寺(同)と岐阜県飛騨市神岡町谷の宮川両岸を結んだ籠渡し。籠に乗り、川面から約8メートルの高さで約26メートル進む過程を2分間体感できる。頭を動かすと360度どの方向でも映像を楽しめる。
同館に展示されている籠の実物に乗って体験することもでき、臨場感がさらに増す。来場者は「結構高いね」「怖い」と感想を話し合っていた。
このほか、懐かしい寺津橋や神峡橋などの写真を展示し、笹津橋や国境橋の変遷を紹介。橋にまつわる絵本や書物も並ぶ。企画展は来年1月26日まで。
2日は講演会も開かれ、飛騨安国寺住職の堀祥岳さんが、古文書に出てくる籠渡しを紹介した。北日本新聞社後援。