ブルーベリー農園を開いた浜本さん=内灘町宮坂

ブルーベリー農園を開いた浜本さん=内灘町宮坂

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内灘の砂丘地 ブルーベリー栽培、軌道に

北國新聞(2020年8月3日)

 内灘町大根布7丁目の浜本正勝さん(63)が内灘の砂丘地で初めてブルーベリー栽培を軌道に乗せた。還暦を迎えた3年前に自営業から農家に転身。前例のない試みは失敗と苦労の連続だったが、30種類600本を育て、摘み取り体験ができるまでになった。町も新たな内灘名物候補と期待し、誘客へPRに力を入れる。
 内灘砂丘で唯一のブルーベリー農園「ベリー ハマー」(内灘町宮坂)は広さ約1200坪で、実1粒が500円玉の大きさに成長する「チャンドラー」も栽培されている。
 経営する浜本さんは家庭菜園が趣味で、野菜を育てていた。約7年前、ブルーベリーの栽培に失敗した際、農業関係者から「内灘の砂地では無理なのでは」と言われ、負けず嫌いな心に火が付いた。2017年に農地を借り、本格的に栽培に挑戦した。
 浜本さんはインターネットや書物を通して栽培法を研究。ブルーベリーは水はけと水もちのよい弱酸性の土を好むことから、砂に粘土や改良剤を混ぜて適度な酸性状態を保つよう管理を徹底した。
 それでも苦労は尽きなかった。熱の吸収を抑えようともみ殻を敷けば、大量発生したカナブンの幼虫に根を食べられた。食害はカナブンだけにとどまらず「この3年は虫との闘いだった」と振り返る。
 今夏、待望の摘み取り体験を9月上旬までの予定でスタートさせた。7月には向粟崎、北部の町立2保育所の年長児41人がやって来た。子どもたちの笑顔も「収穫」した浜本さんは「夏の思い出を作ってもらえるとうれしい」と語った。
 町地域産業振興課の担当者は「凧(たこ)作りやマリンスポーツに続く観光体験メニューとして応援していきたい」と期待している。

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