石川県立美術館の企画展「花木(かぼく)にみる日本美の心」(北國新聞社後援)は4日、金沢市の同館で始まった。四季を彩る草花や木々の美を叙情的に表現した絵画、工芸作品65点が並び、日本人の心に宿る伝統の美意識を伝えた。
県指定文化財となっている六曲一双の屏風「盛上(もりあげ)菊(きく)図(ず)」(真宗大谷派金沢別院蔵)は、胡粉(ごふん)を大胆に盛り上げて花びらに立体感を持たせた画法が目を引く。
日本芸術院会員の洋画家中村研一が初代徳田八十吉の陶房で制作した花鳥の絵皿5点は、九谷五彩を用いながらも独自の風合いを醸している。椿や桜などを描いた友禅訪問着9点も華やぎを添えた。2月7日まで。